【管理栄養士が教える!】幼児食と離乳食の違いとは?
0歳から小学校に上がるまでの6年間は、成長の著しい時期です。その間の食事も発達に合わせた食事が必要です。
今回は離乳食と幼児食の違いと、特徴をご紹介します。
離乳食とは?
赤ちゃんが、母乳やミルク以外の食べものに慣れ、飲み込む機能や噛む能力を少しずつ身につけていく期間です。生後5~6ヶ月を前期(ゴックン期)、7~8ヶ月を中期(モグモグ期)、9~11ヶ月を後期(カミカミ期)、1~1歳半を完了期(パクパク期)といいます。
幼児食とは?
幼児食とは、離乳食を卒業した後の1歳半~5歳ごろまでの食事のことを言います。
離乳食を卒業したら、大人と一緒の食事にして良いわけではありません。幼児期は離乳食を卒業してから大人の食事に近づけていく準備期間で、味覚や内臓機能などが未発達のため、少しずつ移行していく必要があります。
幼児食にも段階があり、おおよそ1歳半~2歳を前期、2~3歳を中期、3~5歳を後期と考えます。
「幼児食」と「離乳食」の違い
離乳食の延長上に幼児食があるため、離乳食の完了期と幼児食の前期は、それほど大きな違いはありません。
離乳食はスプーンに慣れることから始まり、母乳やミルク以外の食べものに慣れ、飲み込む機能や噛む能力を少しずつ身につけていく期間です。なめらかなペースト状の食事から始め、慣れてきたら少しずつ濃くしていきます。
1歳半くらいになると食事は1日3回になり、歯ぐきでつぶせる(大人の指でつまんでつぶせる)くらいのかたさで、歯ぐきにのりやすい大きさ1~2㎝くらいの大きさ(1~2㎜くらいの厚さ)のものなら、上手にすりつぶせるようになります。
離乳食の前期、中期では、母乳やミルクからの栄養摂取がメインとなりますが、後期、完了期では母乳やミルクではなく、食事からおおよその栄養を摂取できるようになります。
幼児食ではさらに、形のある様々な食べものを食べることができるようになり、食事のリズムを確立していきます。最初の奥歯(第一乳白歯)が生えて咀嚼ができるようになったら、幼児食へ移行します。
目安は1歳半ころですが、口腔機能の発達も個人差が大きいので、年齢というより、「この歯が生えて噛めるようになったからこんな食べ物を与える」など乳歯の数や食べ方に合わせて、移行するようにしましょう。
幼児食の味付けと調理法の工夫
大人の食事より薄味にする
子どものときに身に付けた食習慣は大人になっても続くため最初が肝心です。様々な食べ物の多くの味を経験することが幅広い味覚を作ります。
大人と子どもでは塩分摂取目標量・おいしいと感じる塩分濃度が異なるため、味付けに調整が必要です。味付けは大人の半分を目安にして、薄味を心掛けましょう。
食材のかたさは成長にあわせる
離乳食が終わり、ある程度かたいものが食べられるようになると「もう何でも食べることができる」と誤解する大人は少なくありません。「噛まない」「なかなか飲み込まない」「吐き出す」「好き嫌い」「食わず嫌い」など離乳食は順調だった子どもが幼児食でつまづくこともよくあります。
大切なことは「発達をしっかりと見極め、発達段階に合った食べ物を与える。」ことです。その時々の口の形、機能に合わせた食材の固さや大きさに仕上げるなど工夫しましょう。
まとめ
離乳食と幼児食の違いは、子どもの発達に合わせた形状と調理方法です。離乳食~幼児食は個人差が大きく、発達段階に適した食べものを与えることが大切です。
噛む力や消化機能がまだ未熟な時期なので、段階的にかたさや大きさを移行していく必要があります。歩き始めが異なるように、好みや口腔機能の発達もみんな違います。
本やマニュアルのように進まないことは当たり前のことなので、不安を感じたり、比較して焦りを感じる必要はありません。あくまでも参考にし、その子の発達を見極め、対応していきましょう。
また食事は子どもに必要なエネルギーや栄養素をとりこむだけではなく、食べることを通して心を育てる場所です。パパ・ママも頑張り過ぎず、上手に息抜きをして、いつも笑顔で接していられることが何より大切です。