【栄養士が教える!】離乳食完了期のあとは大人と同じ食事で良い?幼児食の調理ポイントや注意点を解説
離乳食完了期のあとは大人と同じ食事で良い?
1歳半ごろを過ぎ、1日3回の離乳食+2回のおやつの食生活が整ってきたら、いよいよ離乳食も卒業の時期です。離乳食を卒業しても、すぐに大人と同じ食事を食べることはできません。
噛む力や消化器官もまだ大人ほど発達していないので、食材の固さや大きさに配慮が必要です。
生活習慣病を防ぐためにも、小さい頃に薄味に慣れさせておくことも大切。刺激の強いものや、生魚のような消化しにくいもの、食中毒のリスクが高いものなどは避けるようにしましょう。
離乳食を卒業したら、いきなり大人と同じ食事にするのではなく、幼児食をはじめましょう。
幼児食とは?
幼児食とは離乳食完了から5歳くらいまでの幼児期に合わせた食事です。子どもの噛む力、味覚、消化器官の発達などに合わせて作ることが大切です。
フォークやスプーンを使うのに慣れさせる時期には、すくいやすい大きさや形にしましょう。また歯の生え具合や成長に合わせて固さを調節します。大人と同じ固さのものを食べるのはまだ無理ですが、自分で口に運んで前歯で齧ったり、奥歯が生えてくると少しずつ噛む力も強くなります。
その子に合わせて調節することで噛む力を育て、料理のレパートリーを増やすことで食事への興味も強くなる時期です。噛むことで、脳への良い刺激にもなりますよ。
また、この時期に薄味に慣れさせておくことも重要です。素材を活かした味付けや多くの種類の食材を食べさせておくことで、健康的な食習慣も身に付きます。
幼児食の調理ポイント
1.薄味を心がける
幼児食の時期も、離乳食と同様に薄味が大切です。濃い味に慣れてしまうと、生活習慣病のリスクが上がります。大人と同じメニューにする際は、味付けを別にする、薄めるなどの工夫をしましょう。また辛いものやカフェインなど刺激物は避けてくださいね。
2.食べやすい大きさ、かたさにする
奥歯が生えてくると噛む力も強くなりますが、大人と同じ固さを食べることはできません。特に弾力があるものや繊維が多いものなどは、小さくカットして、のどに詰まらせることがないよう見守ってあげましょう。
大人より長めに煮込む、調理後にキッチンはさみでカットするなどすると手間も省けますね。スープなどが上手に飲めない子はとろみをつけてあげると、食べやすくなります。
3.栄養バランスを整える
幼児食の時期は卒乳し、食事から栄養をとることが重要な時期でもあります。たんぱく質、ビタミン、ミネラル類、炭水化物の3つの食品群を取り入れた、栄養バランスのとれた食事を与えましょう。また、幼児期の成長に必要なカルシウムや鉄分なども不足しないようにします。
栄養バランスを整えるには、いろいろな種類の食材、食材の色もいろいろな色にすることで、たくさんの種類の栄養素をとることができます。ヨーグルトや納豆などの発酵食品も積極的に取り入れましょう。
幼児食の注意点
注意点としては固さや大きさ、薄味の他に食中毒やアレルギーに注意しましょう。幼児期に初めて食べる食材でアレルギーを起こすこともあります。離乳食期と同様、病院に行ける日の午前中に少量からが基本です。
生魚には寄生虫がいたり、消化にも時間がかかるので与える場合は慎重にしましょう。
レタスなど薄っぺらく繊維が多いもは、すりつぶしにくいため飲み込めない、のどに詰まってしまうこともあります。細かく刻んだり、スープで柔らかくして与えるなど工夫してあげるとよいですね。
親子で一緒に食べられる!取り分け可能な幼児食レシピ4選
レシピ1.簡単、3食ナムル
(材料)
- もやし 1袋
- にんじん 1/2本
- 小松菜 3株
- 鶏ガラ(顆粒) 大人・小さじ1 こども・小さじ1/2
- しょうゆ 大人・大さじ1/2 こども・小さじ1
- ごま油 大人・大さじ1/2・こども 小さじ1
- 白ごま 適量
(作り方)
- 1.もやしはよく洗い、にんじんはせん切りにしておく。小松菜はよく洗ってから、一口大に切る。
- 2.耐熱皿に1の野菜を入れてラップをして加熱する。(600w約5分)
- 3.粗熱をとったら、絞って水気をきる。
- 4.大人の分とこどもの分を半量ずつ分けて、それぞれの分量で味付けをする。
- 5.すぐに食べないぶんは保存容器に入れて冷蔵保存しましょう。(目安3日)
レシピ2.和風煮込みハンバーグ
(材料)
- 合いびき肉 500g
- たまねぎ 1/2個
- にんじん 1/2本
- 卵 1個
- パン粉 大さじ5
- 塩 少々
- 油 適量
- だし汁 400cc
- しょうゆ 大さじ1.5
- みりん 大さじ1
- 水溶き片栗粉 適量
(作り方)
- 1.たまねぎ、にんじんはみじん切りにする。耐熱容器に入れてラップをしレンジで加熱し、粗熱をとっておく。
- 2.ボウルに合いびき肉と、塩、卵、パン粉、1の野菜を入れて混ぜ合わせる。
- 3.2を食べやすい大きさに分け、丸めて平たくしておく。フライパンに油を熱して、丸めた生地を並べる。中火で焼き色がつくまで焼き、ひっくり返す。反対側も焼き色がつくまで中火で焼く。(中まで火が通ていなくてもOK)
- 4.だし汁、しょうゆ、みりんを入れて沸騰したら弱火で10~15分ほど煮込む。
- 5.水溶き片栗粉でとろみをつける。こどもはあんを少なめに盛り付ける。大人はあんを多めにするか、こどもの分をとった後、味付けを調整する。
レシピ3.ツナ入りポテトサラダ
(材料)
- じゃがいも 2~3個
- たまねぎ 1/3個
- にんじん 1/3本
- ツナ缶 1個
- だし汁 小さじ1
- しょうゆ 小さじ1/2
- マヨネーズ 小さじ1
(作り方)
- 1.じゃがいもは皮をむき、薄く切って水にさらしておく。たまねぎ、にんじんはみじん切りにしておく。
- 2. 耐熱容器にじゃがいもを入れて、ラップをして600wで5分ほどレンジ加熱する。火が通ていなかったら、じゃがいもの場所を入れ替えてさらに2~3分ほど柔らかくなるまで加熱する。熱いうちにフォークやマッシャーなどでつぶし、粗熱をとっておく。
- 3.別の耐熱容器ににんじん、玉ねぎを入れてラップをする。電子レンジで600w5分ほど加熱し、粗熱をとっておく。
- 4. 2のじゃがいもと3の野菜、ツナ缶を混ぜ合わせる。だし汁、しょうゆ、マヨネーズを加え、よく混ぜ合わせる。
- 5.こどもの分をとりわけ、大人の分にお好みでマヨネーズ、しょうゆを足してよく混ぜ合わせる。
レシピ4.肉じゃが
(材料)
- じゃがいも 5個
- たまねぎ 1個
- にんじん 1本
- 牛肉 200g
- 粉末だし 小さじ2
- 油 適量
- しょうゆ 大人・大さじ4 こども小さじ2
- みりん 大人・大さじ3 こども小さじ2
- 酒 大人・大さじ3 こども なし
- 砂糖 大人・大さじ3 こども小さじ1
(作り方)
- 1.じゃがいもは大きめの一口大に切って、水に浸けておく。たまねぎ、にんじんも食べやすい大きさに切る。
- 2.鍋に油を引き、牛肉を中火で炒める。色が変わりはじめたら、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもも加えてさっと炒める。
- 3.ひたひたまで水を入れて、粉末だしを加える。沸騰したら、おたまでアクをすくう。
- 4.落し蓋をして、弱火で10分ほど煮る。
- 5.半量こどもの分として別の鍋に取り分け、しょうゆ、みりん、酒、砂糖をそれぞれの分量だけ加える。
- 6.それそれの鍋に落し蓋をして、5分ほど煮る。
離乳食 完了期のあとに関するよくある質問
質問1.食べている時に席を立って遊んでしまいます。
おもちゃなど、子どもが興味をとられてしまうものが出ている場合は片づけてしまいましょう。
また、そもそもお腹がすいていない、椅子やテーブルの高さがあっていなくて食べにくい場合も、子どもは食事に集中できません。おやつの量や、食べさせる時間を見直す、椅子やテーブルが食べやすい高さか確認をしてみましょう。
盛り付けや食器を変えると食べてくれることもありますよ。
質問2.好き嫌いがありあまり食べてくれません。
無理強いをする必要はありませんが、少しずつでも食べさせて慣れさせることが大切です。
酸味や苦みがあるものは本能的に嫌がる子が多いものです。小さく刻んで料理の中に混ぜ込んだり、お父さんお母さんが美味しそうに食べているところを見せてあげましょう。
食べることができた際には、おもいっきり褒めてあげてくださいね。
質問3.毎日栄養バランスを考えた食事作りが大変です。
この時期の栄養バランスは非常に大切ですが、毎回バランスのとれた献立を考えて作るのは大変ですよね。1週間単位で献立を考えてみたり、1日でバランスを考えてみるのもおすすめです。
それでも、大変な時は冷凍幼児食を利用してみましょう。
Tot Plateは化学調味料・保存料・着色料不使用、国産の食材にこだわった安心素材の冷凍幼児食です。塩分控えめ、旨味をベースにした味付けの料理を急速冷凍しているので、美味しさと鮮度を保ったまま与えることができます。
電子レンジや湯煎で温めるだけなので、忙しい日やパパと子どもの2人の日、おじいちゃんやおばあちゃんに預けるときにも便利ですね。料理家、管理栄養士、医学博士が監修していますので栄養バランスもバッチリです。大変と感じた時には、料理をお休みして息抜きすることも大切ですね。
まとめ
幼児期には自己主張が強くなったり、記憶が定着したりと成長も著しい時期です。この時期にいろいろな食材や味、料理を食べさせることで食事への興味関心もどんどん増えていくでしょう。また小さいころに薄味に慣れておくことで、病気のリスクも減らすことができます。
また幼児期から食事のマナーも少しずつ身につけることができるとよいですね。思うように食べてくれなかったり、毎日の料理に疲れてしまうこともあるかもしれませんが、上手に息抜きをしながら楽しい食卓にしましょう。